私は、採卵農園で働いています。鶏舎や隣接するGPセンターは自動化が進んでいて、餌や水やり、空調や風通しの管理、鶏糞の運び出しも、実は入社以前に想像していたよりもずっと楽でした。
それでも人の手や目は必ず必要です。
毎日鶏舎を回って1羽ずつ鶏を見ていると、だんだん様子がわかってくるようになります。毛艶はどうか、餌の食べっぷりはどうか、暑さ寒さでストレスを感じていないか。そんな判断が徐々にできるようになっていきます。
鶏から教えられながら、自分も少しずつ成長してきていると実感があります。ありがたいことです。
「人だけでなく、自然にも鶏にも感謝の心を忘れずに」という先輩方のことばの意味が少しずつ分かりはじめてきたのかもしれません。

その朝採れた卵を洗って、検査して、出荷できるように準備するのがGPセンターです。わたしはそこで働いています。
最初は自動で流れていくスピードがあまりに早くてびっくりしました。そこでは人の目で確認したり、サイズごとにパックの補充をしたり、商品のラベルを準備したり、パックの終わった卵を出荷用のカートに並べたり。行程ごとに人が機械を補助しながら仕事をしています。
慣れないうちは、卵を割ってしまわないかとドキドキしていましたが、慣れれば卵の繊細さと同時に強さにも気づきます。卵ってすごいな、と。
近所のスーパーでも、自分がラベルを入れたパックをよく見かけます。ちょっとうれしい気持ちになりますよ。
